『アリス・ミラー城』殺人事件
北山猛邦
これは駄目だわ。
叙述トリックなのは何となく判ったし、その点はフェア・アンフェアは分かれるとしても、作者の「読者を驚かせよう」という意味で納得できる。
探偵もそれぞれ面白いキャラクターだった。
古加持がちょっと印象が弱いぐらいで、他はどれも良くできてた。
観月っていう探偵がなぜかメルカトル鮎を思い出させてちょっと困ったかな。
良くないのは、アリス・ミラー城なんて大仰なものを作ったんなら、動機はそれに相応しいものでないと一気に冷めるよね。
ここからネタバレ!
現実のエコロジストもいい加減気が狂ってる場合が多いことを考えての「動機」なのかも知れないけど、もうそれがいろんなところで浮きまくり。
とにかくアリスでお城で鏡で、ていうのどこ行ったの。
俺は推理小説読むとき、どんな風に騙してくれるのか楽しみにして読んでるんだけど、これじゃあお金は取れないよ。
と言うわけでクズ本でした。
俺が年取ったからなのかも知れないけど、30年前でも同じ感想持ったと思うな。